家の中で症状が出てしまう原因
そもそも室内にいるのになぜ症状が出てしまうのでしょうか。その理由は「外の花粉が室内に侵入している」からです。室内であれば外のように花粉が舞っていることもないと思われがちですが、花粉は様々な経路で家の中に侵入しています。ではどのようにして外から花粉は侵入してくるのでしょうか。花粉の侵入経路をまとめてみます。
体についた花粉が人とともに侵入
スギやヒノキの飛散量が多い3月~4月に外に出た際に、髪の毛や服に大量の花粉が付着します。その状態で家の中に入ってしまうと、室内空気中に花粉が舞い花粉がたまってしまいます。
外に干した洗濯物から侵入
花粉の時期は避ける方も多いとは思いますが、当然洗濯物を外に干した場合、大量の花粉が室内に侵入します。
換気時に室内に侵入
日本の住宅は、2003年7月に改正建築基準法が施行されたことによりすべての建造物に24時間換気システムを設置することが義務付けられています。一時間で部屋全体の空気の半分を入れ替えられるように換気量が義務付けられているため、対策をしないと外に舞っている花粉を常に室内に取り込んでいるようなものです。
家の隙間から花粉が侵入
目には見えませんが、家の中にはたくさんの隙間があります。その隙間から多くの花粉が侵入しているといわれています。さらに、戸建ての場合は建物の「気密性能」が侵入する花粉の量を大きく左右します。気密性の低い住宅の場合、大量の花粉が家に侵入してしまうので要注意です。
家の中で症状が出てしまう際の対策
様々な経路で家の中に侵入してくる花粉ですが、症状を抑えるための対策として「花粉を家に入れない」ことと「家の中の花粉を除去する」ことが重要です。その対策方法をご紹介します。
花粉を家に入れないために
衣服や髪の毛に付着した花粉をはらってから家に入る
体に付着した花粉を家に入れない対策として、家に入る前に花粉をはらってから家に入りましょう。この時に気を付けたいのがはらう場所。玄関ドアに近い場所で花粉をはらうと、ドアを開けたときにはらった花粉が入り込んでしまうケースがあるため、玄関ドアから少し離れた場所ではらってから家に入るようにしましょう。
外に洗濯物を干さない
洗濯物を外に干すと、取り込む際に大量の花粉が家に侵入します。この対策としては、洗濯物を外に干さずに部屋干しで対応することがお勧めです。部屋干しというと、嫌なにおいや湿気がこもってしまうという事が考えられるため、部屋干し用の洗剤を使用するなどの対策が必要になります。
もし戸建てを検討されている方は、気密性能と換気システムをしっかりと確認することで生乾きや匂い、花粉の侵入を防ぐことができます。
もし戸建てを検討されている方は、気密性能と換気システムをしっかりと確認することで生乾きや匂い、花粉の侵入を防ぐことができます。
早朝、深夜に換気
地域や気候にもよりますが、一般的に花粉の飛散量のピークは一日二回訪れるといわれています。一回目は林や森で舞った花粉が都市部にやってくるお昼前後、二回目は上空に舞った花粉が気温の低下とともに地上に落ちてくる夕方頃です。窓を開けて行うような換気はこの時間帯を避け、早朝や深夜に行うようにすることで花粉の侵入を削減することができます。
給気口に花粉フィルターを設置する(三種換気の場合)
換気時に侵入する花粉を防ぐための対策として、給気口に花粉フィルターを設置することも有効です。家に画像のような設備がある方は「三種換気システム」が家に採用されています。こちらは三種換気システムの給気口になります。三種換気は浴室やキッチンの換気扇から機械で排出した空気を、こういった給気口から自然に取り込む換気方法をいいます。外からの空気が入ってくるため、花粉の侵入経路の一つといえます。こういった給気口のフィルターを花粉をシャットアウトできるフィルターに変更することで、花粉の侵入を防ぐことができます。
サイクロン式給気フードを採用する(一種換気の場合)
一種換気は、排気と給気を機械で行う換気システムです。外部の給気フードにサイクロン式給気フードを設置することで、虫や花粉をシャットアウトした空気を室内に取り込むことができます。
花粉も除去できる外気清浄フィルターの使用(一種換気の場合)
外気清浄フィルターにより、10ミクロンの大きさの粒子を80%以上カットできるため、外気のホコリはもちろん、大部分の花粉をシャットアウトします。
※除去効率(質量法)粒径10um以上 80%以上(処理風量:100㎥/時)
※除去効率(質量法)粒径10um以上 80%以上(処理風量:100㎥/時)
家の中の花粉を除去するために
加湿をしてから掃除をする
家の中の花粉を除去するための方法として、掃除は必要不可欠です。しかし、空気が乾燥している状態だと空気中に花粉が舞ったままなので、せっかく掃除をしても時間の経過とともに床に落ちてしまいます。先に加湿をすることで舞っている花粉が落ちやすくしてあげましょう。
空気清浄機を使用する
空気清浄機で花粉を除去する方法も効果的です。花粉の大きさは30μmくらいなので、30~40μmをしっかりと除去できるフィルターを備えたものを選びましょう。
エアコンに花粉除去フィルターを設置する
エアコンに花粉除去フィルターを設置することで、エアコンから吸い取った花粉を外に排出することができます。エアコン本体やフィルター清掃を怠ってしまうと、逆に部屋中に花粉を送り届けてしまうので、こまめな清掃が必要です。
花粉症の症状が出にくい家を建てる方法
花粉症の症状が出にくい家に必要な物は「気密性能」です。どんなに換気システムがしっかりしていても、気密性能が低いと家の隙間から花粉が侵入します。戸建てを検討されている方は特にですが、気密性能に気を付けて住宅会社選定をすることで、家の中で花粉症の症状に悩まされることのない家づくりができます。また、気密性を高めることで花粉症対策になるだけでなく、断熱効果が高まる、計画的な換気が行えるため空気環境が良くなる、防音効果が高まる、上下の温度ムラが少なくなる、構造躯体の長持ちにつながる、などなどお家に欠かせないメリットがたくさんあります。気密性についての詳しい解説はコチラ
まとめ
今回は
●家の中で花粉症の症状が治まらない理由
●家の中に花粉が入ってしまった際の対策
●花粉症症状が出にくい家を建てる方法
の3つをご紹介しました。
花粉に関する知識を身に着けて、つらい花粉の時期を乗り越えていきましょう。
●家の中で花粉症の症状が治まらない理由
●家の中に花粉が入ってしまった際の対策
●花粉症症状が出にくい家を建てる方法
の3つをご紹介しました。
花粉に関する知識を身に着けて、つらい花粉の時期を乗り越えていきましょう。